成人男性であれば聞いたことがあると思われる「ED」という病名。しかし正しく理解している人は少ないのではないのでしょうか。ここではEDについて詳しく説明してみたいと思います。

EDとは「勃起機能の低下」が起こる治療が必要な疾患

EDとは、勃起機能が低下する「治療が必要な疾患」で、英語では「Erectile Dysfunction」と言い、その頭文字からEDと呼ばれています。

EDは、医学的には「満足な性行為を行うための十分な勃起が得られない、または維持できない状態が持続、または再発すること」と定義されています。パートナーとの生活などに深く関わる疾患です。

そのため、全く勃たない状態をEDと呼ぶのではなく、不完全に勃起することや、セックスに必要な硬さが得られない、勃起の持続時間が短い、中折してしまう等、総合的にみて満足なセックスが出来なくなる状態を、ED(勃起不全)と呼んでいます。

一言でいうと、EDとは、「満足な勃起力をセックスの最初から最後まで得ることが出来ない病気」と言えます。

ストレス社会の現在にEDに悩む人は少なくなく、成人で4人に1人

EDに悩む人は成人男性で4人に1人と言われており、加齢と共に増加傾向にあります。

近年の医療の進歩によって、専門病院や治療方法等、様々な方法で治療することが出来るようになりました。しかし、EDは男性にとって「恥ずかしい」と感じる方も多いのも事実。男性スタッフだけで運営するED治療専門の病院や、ED治療薬を個人輸入にて入手する方法等、インターネット社会を恩恵で、様々な方法での治療を選択することができるようになっています。

少し古いデータとなりますが、以下のグラフは、日本人が罹患している年齢別のED有病率です。やはり加齢と共に、EDの罹患率は上昇傾向にあります。40代から急増して20%を越え、50代になると50%以上の方がEDに悩まされているという結果になっています。

(白井將文:日本臨床60(増刊号6):200-202,2002)

勃起のメカニズムとEDの原因について

勃起のメカニズムは、肉体的または精神的な性的刺激により、陰部への刺激が行われると大脳にある性中枢が興奮します。この興奮が脊髄を伝わって勃起神経に到り、陰茎の動脈が拡張され陰茎海綿体へ流れ込む血液が増量します。併せて陰茎海綿体平滑筋が弛緩し、陰茎海綿体へ流れ込んだ血液は逃げ場を失い、その血液によって勃起が起こります。

EDは、このメカニズムのいずれかの過程に問題が発生し起こります。どの過程に問題が発生しても、勃起は起きず、EDとなってしまうのです。

EDになる原因は様々ですが、大きく分けて2つの要因に分けられます。

EDの2大要因
  1. 器質性
  2. 心因性

器質性EDの原因とは

器質性EDとは、身体のどこかに問題が発生し、勃起が完全、あるいは持続しない状態です。加齢や動脈硬化、薬の影響によるもの、放射線の照射、脊椎脊髄の病気、生活習慣病(高血圧、糖尿病等)など、様々な要因によって発症します。

心因性EDの原因

心因性EDとは、仕事の多忙、夫婦関係や悩みなど、いわゆる精神的なストレスによって発症します。また体調不良などでたまたまセックスが上手くいかなかった、妊活からくるプレッシャー、早漏や遅漏を過度に心配するからくる自信喪失など原因となり得ます。男性の身体は実はデリケートで、それがゆえにEDとして影響を及ぼしてしまうのです。

EDは治療できる? その方法とは?

「上手くセックスが出来なかった」
「勃起しなかった」
「中折してしまう」
「早漏だから彼女を満足させられるか心配だ」

これらの悩みによって、ショックを受ける方は多いです。セックスが上手くいくかどうかは、男の尊厳にも影響することから、精神的に参ってしまう人が多いのです。

でも大丈夫です。不安になることはありません。

EDは治療を受ければ治る病気です。

現在はEDの治療方法は様々あります。基本的には薬物治療となります。バイアグラという画期的な薬が開発されてからは、ED治療は急速な進歩を遂げました。

最近は、薬物治療、心理療法、ホルモン療法、専用器具の装着、サプリメント摂取など多数の治療方法があります。しかし一般的なのは、EDの治療薬により改善を目指す方法です。

EDの治療薬でも特に有名なのは、以下の3種類です。

EDのメジャー3大治療薬

  • バイアグラ
  • シアリス
  • レビトラ

これらのうち、バイアグラがダントツで有名ですが、世界的には実はバイアグラよりもシアリスのほうが使用率が高いです。他にも、ジェネリックタイプもありますが、有効成分は同じでも副材料の影響により効果が微妙な場合もあるようです。ちゃんと治療するのであれば、この3種類の薬を使うのが良いでしょう。

これらのED治療薬の作用とは、血管を拡張させ、EDの原因となる酵素を阻害し、勃起力を持続させる働きがあります。薬ごとに効果は少しずつ違うので、自分の身体にあったものを見つけましょう。

EDは治ります!怖がる必要はなし!

EDを必要以上に怖がる必要はありません。

これまで説明したように、原因も判明してきており、治療薬の開発も進んでいます。

「でもEDの治療は恥ずかしくて・・・」

と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし他人に知られずにEDを治療する方法や、EDの専門病院も出来ており、ED治療薬を個人輸入で入手することも可能です。

まずは

「EDは恥ずかしいことではない」
「EDは治療すれば治る」

と認識し、適切な処置を取ることが重要です。

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